テレビ番組「プロフェッショナルの流儀」で、都心の大ホテルでコンシェルジュ(ロビーでの案内係)をしておられる方が、いつも心していることは、「お客さんと向き合うのではなく、お客さんと同じ方向を見て仕事をしています」とおっしゃっておられました。その方が素晴らしコンシェルジュとして評価されている理由がわかったような気がしました。「同じ方向を見る」、まさに、私たち保育者こそが、求められる視点であると、ハッといたしました。日常保育の中で、子どもたちと向き合うことも大切ですが、より大切なことは、つねに子どもが見ている方向を見る、一緒になってみる、一緒になって感じる、それが寄り添うことだと再認識した次第です。子どもが踊り場で雨だれを手で感じている時、保育室に呼び寄せるのではなく、保育者が出向き、ほんのいっとき、その子どもと時間を共有し、雨だれに触れ、感じ、子どもの心に共感する。こんなことが、子どもの中にある感性を大いに喜ばせ、保育者との信頼関係の中に子どもたちの安心感(自己肯定感)が生まれるのではないかと思ったことでした。